幸か不幸か幸か不幸か私は 終わりを見ながら生きています 全てのものには終わりがあると そう聞かされて育ったのです 常に終わりを考えていることで 周囲の者をどれだけ寂しくさせていたか 私には知る術もありません ただ 終わりを覚悟することで 痛みは随分と和らげられていた そのことだけは確かに知りました 何故そのことを知ったかって? 予期せぬ終わりの痛みを初めて知ったからです なぜ予期していなかったかって? 珍しくすっかり油断していたからです しばらくはそんな用心は無用だと信じていました 今思えばそれはただの願望に過ぎなかったのですがね 次へ ジャンル別一覧
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